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第一章 よい体質の住宅会社は確実に増えている

 何も私だけではありません。冒頭でずいぶん暗い話ばかりを書いてしまいましたが、業界を見渡せば、お客様のためによい経営をする会社はたくさん存在しますし、また、確実に増えていると思います。

 これからの家づくりに未来はないのかと言えば、決してそんなことはないと言えます。

 例えば、国際的な標準化規格である、ISO(国際標準化機構:International Organization for Standardizationの略称)の認証取得に積極的に取り組む企業もあります。これによって、世界規模で商品やサービスの信頼性が担保されるというわけです。

 品質が良く、且つお客様に手が届く家をつくるために、コストダウンを徹底している会社もあります。

 また、お客様のために今までの概念にはない商品開発をする会社も登場してきました。例えば、床下に空間がない『逆基礎』をつくることによって、基礎のコストや手間が通常よりもかからない商品開発をしているところもあります。

 そして、中小零細規模でも社内教育を徹底させている会社もよく見かけるようになりました。私はたくさんの会社を見てきましたが、しっかりした会社だなと思うところは、社内教育に力を入れています。その結果、マナーやお客様への配慮にすぐれた対応が出来るようになっているのです。

優良会社に共通している要素とは?

 そして、『感動営業』を徹底している会社も増えています。これは、お客様の誕生日に手作りのプレゼントを贈ったり、お客様に喜んでいただくためのさまざまな配慮を行ったりしています。私も、同様の贈り物をしたり、ご縁のあったお客様には、綺麗な紙に、お名前の由来、文字数を書いたものをお渡しして、ご縁に感謝させていただいたりしています。

 そして、しっかりとした会社は、現場への配慮も欠かさないものです。

 ある知り合いの浜松の会社では、『新車を買う時には、誰も使用していないピカピカの車が納車されるでしょ。車をつくる途中で汚しても、後で掃除して渡せばいいってもんじゃない。家も一緒なんです。』と話す経営者がいらっしゃいました。

 これは最後になってから家の汚れを落とすのではなく、建築の途中から最新の注意を払って現場の清掃に努めるのが大切ということです。

 また栃木県のある会社では、社長さん自らが現場の掃除を巡回しているという話を聞きました。年間200棟くらい建築する会社でです。

 現場を綺麗に保つというのは、商品に対する心構えがきちんとしているということです。このように、きちんとした意識で真摯に家づくりに取り組む会社は、たしかに存在しており、増えていっています。