第二章 資金計画の注意点
住宅ローンの借り入れを検討するのであれば、週末に開催している銀行の住宅ローン無料相談会などに出かけてみるのもよいでしょう。
通常、銀行に行っても何も用意せずに『住宅ローンはいくら借り入れることが出来ますか?』と尋ねても答えはくれません。『図面や見積書などを持ってきてください』と言われるのが一般的です。
図面も見積もりもない段階では、銀行側は『この人は本当にお客様になるのだろうか』という視点で見てしまいます。
しかし、無料相談会は銀行にとって営業の場です。お客様の獲得にも熱心になりますから、比較的親身に話を聞いてくれているでしょう。
また簡単に調べる方法としては、インターネットも有効でしょう。インターネット上には、自分の年収を入れると借入限度額が出てくるようなサイトがたくさんあります。少し調べるだけで、大体の金利や何年後に完済できるかといった返済プランもわかるようになっています。
例えば『住宅ローン金利一覧』で検索すると、現在の銀行金利一覧がわかります。
『住宅ローン返済計画』などで検索すると、さまざまな情報が確認できます。また、『住宅ローン返済シュミレーション』で検索すると、銀行がシュミレーションを行うサイトや住宅保証機構がシュミレーションを行うサイトなどが確認できます。
ローンの組み方には2つの方法がある
実際にローンを組む場合は、以下の2つの方法があります。1つめは、銀行の借入限度額で返済額から考える方法。もう1つは、給与の手取り額から返済額を算出する方法です。
この2種類の方法には、非常に大きな差があります。銀行の借入限度額で返済額から考える方法は、当初の予定よりも予算がオーバーする可能性が高く、給与の手取り額から返済額を算出する方法は比較的現実的な支出プランが組めるというメリットがあります。
住宅ローンは、年収に占める年間の返済限度額が決まっています。金融機関によっても違いますが、例えば『あなたの借入限度額は、年収の25%です』などと言われることがあります。そうするとほとんどの場合、借入限度額に基づいて予算を立てようとするはずです。
そのため『これだけのお金が借りられますので、こういった設備のオプションが付けられます』という営業に誘導されがちなのです。
また金融機関でも、『このお客様は安全だ』と判断すると、必要以上にお金を貸そうとする傾向があります。よく聞かれるのが『何かあった時のために、もう少し借りられたほうがよろしいのではないですか?』という台詞です。この台詞を聞いたら、注意してください。
お金に関しては、少しの無理が危険につながります。『一生に一度の買い物だから』『夢のマイホームだから』と、無理を押したプランで家を買ってしまう人がいます。平均すると当初の予算の110%くらいの金額を支出するというデータもあります。
家が建った後の生活は大丈夫か
しかし、家が建って、大きく喜ぶのは最初の1、2年です。あとは数十年にわたって普通の生活が続くわけです。冢のために将来の生活を危険にさらすのは、どう考えても得策ではありません。
ですから、借入限度額は金融機関の都合に合わせるのではなく、あくまでも自分の給与明細から考えてください。手取り額から「毎月いくらまでなら払えるか?」を考えた上で、
将来的にどれだけの返済ができるのかということです。
そのためにも、教育費や老後の資金を含めてしっかりとした計画を立てましょう。例えば、子どもを私立校に入学させるのであれば、年間100~150万円の学費がかかると
されています。一人暮らしならもっとお金が必要になります。
現在はインターネットで検索すれば、自分が亡くなるまでに何にどれくらいのお金がかかるか、ある程度調べることが可能です。エクセルなどの表計算ソフトを利用して、収入
と支出をチェックしてみるのもおすすめです。これなら住宅会社に問い合わせる前に、自分自身でできるはずです。
あとは給与の手取り額から資金計画を立ててくれる会社を選ぶのがベストです。無理のないプランを提案する会社(営業マン)は、かなり信用度が高いと言えます。
お客様にきちんと向き合っている会社であれば、親身になって対応してくれるはずです。