第二章 最も賢い土地購入のタイミングは?
無理のない資金で家を建てるには、土地から探す場合、土地の購入法を工夫する必要もあるでしょう。
土地を持たない人の場合、まずは土地を購入するという考えや建て売り購入などが一般的かもしれません。
先に土地を購入した場合、その土地に対して『この大きさの家が建てられます』というところから設計士さんは仕事を始めます。特に土地価格が高い地域では、狭い土地に目一杯建てようとします。
そのため、予算よりも、土地だけを見て建てることの出来る最大限のボリュームの家を設計してしまうことがあります。そうなると当然予算も合わなくなります。しかし、予算バランスから考えると、家族が希望している家はそれより小さいかもしれません。
一般的にはだいたいの予算額で土地を先に購入して、残った金額で建物を検討しますが、私は、逆転の発想で土地を探したほうがよいと考えています。つまり、『つくりたい家の大きさはどれくらいか』『予算はどうなのか』をしっかりと細かく詰めてから、土地を探すというわけです。そうすることで、予算に見合った広さの土地を見つけ出すことが可能となります。
不動産業にとって重要なのは『土地を売る人』
実のところ、不動産屋さんは『土地を買う人』よりも『土地を売る人』を重視する傾向があります。
ご自宅のポストに『土地売主、または売却不動産募集』などと書かれたチラシが入っているのをご覧になったことがあるでしょう。不動産屋さんは、常に土地の売り主を探しています。
なぜかというと、土地を売る人が見つかればその人は確実に土地を売ってくれるので、収益が確実に見込めるからです。
不動産業は、土地の売り主からは『紹介料』を受け取り、土地を買う方からも『紹介料』を受け取ります。どちらもお客様ではありますが、土地を買う人は物件を見に来たとしても、本当に土地を買うのか、いつ買うのかがはっきりしません。
だから、確実に逃げないお客様である売り主のほうが、不動産屋さんにとっては大切なお客様なのです。
この仕組みを理解していれば、不動産屋さんを味方につける方法も見えてきます。
不動産屋さんを味方につける方法
不動産屋さんに真剣に土地を探してもらうためには、『不動産屋さんのリスクをなくすこと』が重要です。
やみくもに土地を探そうとしても具体的に自分がほしい土地のサイズはわからないのが普通だと思います。これは、単純に建物のボリュームがわからないことによるものです。
ということは、建物のボリュームと金額が決まれば、自動的にそれに見合った土地のサイズが判明するわけです。
まずは、建てたい家のプランをしっかり考えて、資金計画を立てる。それを不動産屋さんに持っていけば、そんなにきちんと計画をしている(=土地を買おうとする意志がはっきりしている)お客様は少ないので、真剣に土地を探してくれるはずです。
売り主側の条件に見合った土地が早く売りたい土地であれば、総体予算がしっかり提示できていれば、値引きをしてもらえる可能性が高まります。
なかには売り主側の都合と一致して、数百万円近くの値引きに成功したケースもあります。
今までの業界の順序とはまったく正反対ですが、こういった段取り次第で、等身大の家を安く手に入れることができるケースもあるというわけです。