12. ⑥費用が安すぎる家
これは⑤の「きちんと施工されていない家」にも関わってくるのですが、建築費や購入の価格が安すぎる家にも注意が必要です。
「安すぎる」の理由はいくつか考えられます。主因として挙げられるのは、「安かろう悪かろう」の工事を行っていることです。
建築業者は契約を取りたいために、思いきった低価格のプランを提示します。その低価が企業努力によって実現したもので、根拠が明確であればよいのですが、実際には単に職人さんの手間賃を叩いて下げるだけ。残念ながら、そういった業者も中には存在します。
いい加減な見積もりを出したり、営業マンがすぐに大幅値引きを口にするような業者には要注意です。契約を急いでいたり、雑な家づくりを行う可能性につながるからです。
過度な値引きを提案する業者は、家づくりの大切なパートナーである職人さんにも過度に安価な条件での家づくりを迫るおそれもあります。
良心的な職人さんは、この業者との仕事を拒否するか、泣く泣く工事を進めるかの二者択一しかありません。中には、「値段に見合った程度の工事をすればいい」と考える職人さんが出てきてもおかしくはありません。
いずれにしても、このような無理を強いる家づくりをすると、どこかにほころびが現れてしまいます。
私自身、かつては建て売り住宅の修繕や雨漏りの修理をしていた経験があります。中には、明らかに手抜き工事だと思われるお宅をしばしば見かけました。
安い金額で家を建てても、あとで雨漏りしたり地震に弱いということでは、元も子もありません。つい最近も、築2~3年の建売住宅で、雨漏れで困っているというご相談をいただき、現地確認をしました。
また過度な値引きを繰り返していたために、経営が成り立たず倒産してしまう会社もあります。当然、アフターサービスなどはまったく期待できなくなります。
業者から極端に安すぎる家を提案されたら、なぜその金額になるのか、裏づけをきちんと確認することをおすすめします。