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17. ポイント① 徹底的な情報収集をする

 家づくりは、一生に一度の大切な買い物です。きちんとした情報がないばかりに、この大切な買い物に失敗するという不幸は避けなければなりません。簡単に他人任せにせず、自分で情報収集を行う姿勢が求められるでしょう。
 家づくりに関しては多くの情報が出回っており、何か正しくて、何か間違っているのか、判断が難しいのが現状です。ここで、まず知っておきたいのは、「売り手の考え方によって発信される情報が変わる」ということです。
 たとえば、東日本大震災では、一部の地域が液状化現象の被害を受けました。では、この地域で家を新築したり購入する人たちに対して、「この地域では、大地震が起きたときに液状化現象が起こる可能性が、他の土地より高くなっています」という情報が伝えられていたでしょうか。おそらく、そういったリスクはあまり深く知らないまま家を建てた人も多かったのだろうと思われます。もしくは、売る側も、あまり知らずに売っていたことも考えられます。
 被害を受けられた方に対して「事前に情報収集をしなかったのが悪い」などと言うつもりはありません。ただ、売り手にマイナスとなる情報は自分で探さないと得にくいというのは事実です。本当に必要な情報が、伝わりきれていないこともあります。

実際に話を聞いてみるのが一番

 では、そういった状況で、どのように情報を集めたらよいのでしょうか。望ましいのは、建築業者の営業マンの話のみに頼るのではなく、実際に話を聞くことも含めて、その分野の専門家から情報を得ることです。
 インターネットや書籍、建築雑誌などで探せば、知識を持った専門家などの情報に接することができます。こうした情報を比較検討すれば、冷静な判断ができます。
 私白身、本書を執筆するに当たって、制震材や免震装置を開発しているさまざまなメーカーの方から直接お話を聞く機会を得ました。個人の立場でも、メーカーに問い合わせて情報を収集することは可能でしょう。メーカーによっては、商品を体験できる場を設けているところもあります。実際に体感してみるのもよいでしょう。いずれにせよ、情報が限られていると、その中から判断をしなければいけないので、判断基準が甘くなったり、間違った選択をしてしまうことにつながります。
 逆に、情報をたくさん仕入れたり、自分自身の目で見たり、実際に体感することで、「これがいい」「これはよくない」といった、自分自身の判断基準が生まれてきます。そういったご自身の判断基準を大切にすべきだと思います。

自分の判断基準を作ろう

 自分なりの判断基準ができていくにつれ、情報に対する見方も変わってきます。
 たとえば、それまでは業者側から「安いです」「安全です」などと説明されて、そのまま受け止めていたような情報に対しても、「なぜ安いのか」「なぜ安心と言えるのか」を自分自身で考えるようになります。
 疑問に感じたことは質問をして、詳しい説明を求めていけば、その業者のスタンスも明らかになってくるはずです。
 本当に安全を重視している業者なのか、商品だけをすすめている業者なのか、ある程度の見当がっくようになるでしょう。
 書籍を読むのであれば、1冊だけでなく、数冊を読み比べるとよいでしょう。このとき、できるだけ現場の立場で書いた本を読むことも、併せておすすめします。もちろん、学説的な本や、評論家が書いたような本は、地震のメカニズムを知る上では参考になると思います。
 しかし、家づくりについて知る上では、現場に近い立場の人が、家づくりのポリシーやスタンスを明確にしている本が参考になります。こうした本は、現実的な予算なども反映した適切なアドバイスなども多いものです。
 何事もそうですが、答えは現場にあるものだからです。