31. Q1 一戸建てとマンションで迷っています。これから大地震が来るかもしれないと思うと、どちらが安全で長く住めるのか判断がつきません。
このページでは、樋口社長の著書「揺れない家の作りかた」の一部を紹介しています。
今回より第5章 家づくりの不安・疑問に答えます!の紹介となります。
今回は最初の段落の紹介です。以下の様に区分されています。
●見た目はよくても中はボロボロのマンションがある
●バランスや地盤にも注意
●建築コストの問題も要注意
●工法の違いも要チェック
以下3ヵ所、本文より書き出します。
~結論から申し上げると、マンションを選ばれるのであれば、何よりも築年数に注目して、新しい物件を購入することをおすすめします。
築年数の経過したマンション(築年数40年を超えるマンションなど)は、耐震性の上で大きな不安があると考えられます。施工不良やコ ンクリートの質などで、問題を抱えている可能性が絶対にないとは言いきれません。~
~最近では、古いマンションをリノベーション(大規模な改修を行い、建物の性能や価値を高める)するという住まい方に注目が集まってきました。
「コストに優位性がある」「自分らしいアレンジができる」などという耳ざわりのよい言葉やイメージが先行しているようですが、最も肝心な安全性は二の次になってはいないでしょうか。過去の震災の事例を見るにつけ、不安が募ります。~
~コストの問題に関連して、工法の違いにも注意を働かせたいところです。
例えば11~12階くらいの高層マンションの場合、鉄筋コンクリートで作っているマンションがあります。
しかし、鉄筋コンクリートより強度のある工法にSRC(鉄骨鉄筋コンクリート)によるものがあります。SRCとは鉄筋コンクリートの中心部に鉄竹を入れたものです。
本来は、SRCのほうが耐震性に優れているのですが、コストを下げる上で、構造計算を満たす範囲であれば、鉄筋コンクリートでマンションを建てる場合も多く見られます。
建築基準法では両工法とも、一定基準を満たしていれば同じという解釈ですが、SRCは鉄骨造と鉄筋コンクリート造の優位性を組み合わせた工法であることを考えると、鉄筋コンクリート造よりも、SRCを選ぶことをおすすめします。
なお、「プレキャストコンクリート」という、工場で計画的に生産されたコンクリートがあります。このコンクリートは非常に質が高く、100年は耐えられる強さがあるといえます(一般的なコンクリート住宅の耐用年数は最大50~60年)。プレキャストコンクリート造のマンションは、かなりの強度を長期間保持することができます。免震マンションなども比較的耐震性に優れていると評価できます。しかし、一般的なマンションの場合、年数にしたがってコンクリートの劣化は免れません。~
次回は、Q2「建て売り住宅の購入を検討しています。注文住宅と比較して安全に問題はないですか。欠陥住宅を見破る方法はありますか。」の紹介となります。