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39. 省エネ商品は非常時にも役立つ

 環境負荷を軽減する工法が進化すると共に、さまざまな住宅用の環境対策商品も導入されるようになってきました。こうした環境対策商品は、大地震の際にも役立つメリットがあります。
 たとえば、太陽光発電システムがあります。その名の通り、太陽光から電気を作るものです。発電して余った電力は売ることもできます。
 太陽光で発電するわけですから、火力発電のように二酸化炭素を排出することもなく、資源が枯渇する心配もありません。環境負荷をかけない商品であると共に、電気料金を確実に抑えることが可能です。導入時には国や自治体などの補助制度を活用することができ、これからの普及が期待されています。
 この太陽光発電システムを設置している場合、家庭内に非常用コンセントを設置しておくとよいでしょう。非常時においても、日中の時間帯はそこから電力を供給することで、ラジオやテレビから情報を入手できたり、携帯電話の充電などもできるようになります。
 最近では、家庭用蓄電池システムも開発されています。名前の通り、電気を電池内に蓄えておくことができるため、停電時にも電気を使えるのが魅力です。

電力やガスを利用した省エネ商品

 オール電化住宅では、「エコキュート」という、空気熱を活用した電気給湯機の設置が進んできました。各家庭において、給湯時に消費するエネルギーは大きいのですが、これにより約3分の1程度になります。
 エコキュートはヒートポンプシステムを活用しているため、使用する電気エネルギーに対して大きな熱エネルギーを生み出すことができます。また、割安な夜間電力を使って効率的に給湯できるというメリットがあります。
 ただし、電気頼みの給湯システムであるため、その点を検討する必要があると言えます。
 これに対してガス併用住宅では、「エコウィル」というシステムが導入されています。エコウィルは都市ガスを利用してエンジンで発電し、その際の廃熱で給湯するとともに家庭内の電気を生み出すという仕組みです。
 また、マイコンで作動し、最も電気を使用する時間帯に給湯して貯湯する仕組みとなっています。
 自宅で発電するために、送電ロスが少ないのもメリットと言えるでしょう。
「エコキュート」「エコウィル」共に、導入に当たっては補助制度を活用できます。仮に補助制度を活用しなくても、設置に投入したコストは確実に回収できます。一般的な給湯機と比較して環境負荷も少ないのも魅力であり、私自身、お客様におすすめしているところです。
 なお、こうした給湯用のシステムは、お湯を沸かして貯湯しているため、阪神・淡路大震災時には非常用水としても活用されたという記録があります(ただし、今回の東日本大震災のように激しい横揺れを受けて転倒してしまったケースもあります)。
 東京ガスでは、燃料電池で給湯する「エネファーム」という商品も開発しています。これは発電に都市ガスを使い、その熱を利用してお湯を沸かします。電気とお湯が同時に作られるわけです。
 このシステムも補助金を活用して導入できますが、現時点では導入コストが回収できるまでには至っていません。ただし、一部の環境意識の高い方が購入されています。コスト知っておきたい住宅のリサイクルを落とし、投資した分か回収できるような普及型モデルの開発が待たれているところです。
 こうした環境対策商品についても、提案者側の知識レベルにバラツキがあるのが実情です。提案者側の認識不足によって、普通の給湯機が当たり前のように取りっけられることもあります。イニシャルコストは高くても、ランニングコストで回収できるものを選択すれば、最終的には環境負荷も減らしながら「得」につながるのです。
 施工主としてしっかりした情報収集を進めると共に、業者選びの段階から施工業者の知識を確認することが求められます。