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42. おわりに

 本書をまとめながら、私には改めて強く感じたことがあります。それは、地震に備えしつかりと準備をしておくことの大切さです。
 今、世界は大地震の活動期を迎えています。日本でも、いつ巨大地震に見舞われても決しておかしくない状況が続いています。
 私たちは、これまで大地震を経験して、そのつど危機意識を新たにするものの、時間の経過と共に、安全な状況に慣れてしまうという経験を繰り返してきました。
 しかし、阪神・淡路大震災や東日本大震災などで不幸にして大きな被害に遭われた方々のことを忘れてはいけません。そして、大地震は決して他人事ではなく、どの地域でも過去に起きた巨大地震の痕跡を見れば、こうしている今も危機に直面していることは明らかです。震災の経験を忘れずに、新たな災害に備えて準備することが、私たちのこれからの重要な努めではないでしょうか。
 家は、大切な家族が暮らす空間です。ですから、この家は必ず大切な大たちを守るためのものでなくてはなりません。
 家の安全性を高められるかどうかは、私たち設計・施工業者の努力ももちろんですが、実際に家づくりをする一人ひとりの意識に大きくかかっています。大地震が家族を失ってからでは遅すぎます。しっかりと情報収集をして、地震対策をきちんと施すことが大切です。
 現在は、家を建てる人の意識が問われる時代です。
 耐震住宅にするだけで万全か、リフォームでも大丈夫か、保険はどこまで入っておくべきかなど、考えるべきことはたくさんあります。
 いずれにせよ、いざというときに備えて、積極的に情報収集し、家族と話し合い、どんな家を建てるかを決めることが大切です。
 さらに、これからは環境負荷についても考えを深める時代です。私たちのエネルギー供給はどうあるべきか、子どもや孫にクリーンな地球を引き継いでいくにはどうすればよいかなど、環境に対する意識を高めることで、省エネで廃棄物も出にくい家を作ることができるのです。